事例紹介

粘り強く交渉し、相手方の特別受益を立証することに成功した事例

2017.06.28 / 事例紹介・「遺言相続」

依頼主

Nさん 40代 男性 会社員

相談内容

Nさんは、父親が亡くなってしまい、遺産自体もそれほど多くはなかったので、相続人である母親及び姉と遺産分割協議を行おうとしました。
母親は既に認知症で成年後見人が選任されていたため、実際の交渉は、母親の成年後見人と姉との3人で行うこととなりました。

そうしたところ、突然、姉が、Nさんが父親から紙袋に入った1000万円をもらっているのを見たことがあると述べ始めました。
Nさんとしては、このような贈与は受けたことがないと懸命に説明しましたが、姉に納得してもらえず、困り果て、ご相談にいらっしゃいました。

しかし、ご相談を伺ったところ、父親は、生前Nさんではなく姉に対して、多数回にわたって贈与を行っていたことが分かりました。

解決内容

姉が、遺産分割調停を申し立てたため、主な交渉は調停の場で行われることとなりました。

母親の成年後見人は、法定相続分を確保できれば、それで良いとの姿勢でしたので、調停では、主にNさんと姉との間の特別受益の主張・立証が繰り広げられました。

まず、姉が主張している、父親からNさんに対する1000万円の贈与については、それを裏付ける資料は一切なかったことから、調停の初期の段階でこのような贈与はなかったことを前提に話を進めることが出来ました。

しかし、姉に対する贈与は、現金を手渡しする方法で行われることも多く、立証に苦労しました。
そこで、調停の場で粘り強く、相手方の銀行口座の取引履歴を開示するよう求め、父親の銀行口座の取引履歴と照合することによって何とか、姉への贈与を認めさせることに成功しました。

結果

相手方が弁護士をつけず、過大な請求を続けていたため、交渉は難航することが予想されました。

しかし、調停手続きの中で、裁判所の助けも借りながら、粘り強く説得を続け、最終的には、当初の相手方の主張を退けるだけではなく、逆に相手方に対する特別受益があったことまで立証でき、Nさんは当初想定していた以上の遺産を手にすることが出来ました。

相続の問題は、相手方が、長く生活を共にしてきた親族であることが多く、一旦こじれてしまうと紛争が長期化・泥沼化してしまうことも少なくありません。
早期に弁護士に依頼し、無理な請求をしない・させないことによりその後の親族関係を良好に保つことが可能になります。
1人で悩まず、まずは、お気軽にご相談下さい。

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